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山のこと。小西政継とマッターホルン

002時事・意見, 趣味その他|2008/06/06 posted.

 三浦雄一郎さんがサガルマータへ登頂。当初はチョマランマ側を狙っていたようですが、政治情勢とオリンピックの聖火優先で断念。 順番待っていたら、最年長記録を先に更新されてしまったのが、残念といえば残念。
登山そのものの評価はともかく、あっぱれといいたい。そんなちょっと前のニュースを聞いて山のことを思い出しました。

 実は山が好きだったりします。古くからの友は知っていますが、一時期、山に魅せられた時期がありました。
1983年だったと思います。白馬から黒部を回って乗鞍へ二泊三日でドライブ旅行しました。
妻と一緒なんですが、彼女が行きたい場所を選んで、私が宿泊その他のプランを決めて。
 白馬では妻が「山がきれい」と教えてくれました。その他草花や道祖神などを見ては感激していました。
私は彼女が「きれい」と教えてくれるまで、何も気付きませんでした。本当にイルカの歌(風にのせて)のような感じです。
上高地の大正池焼岳側は今のように護岸が整備されてなくて、それはそれはすばらしい自然に感動しました。
夏のピーク以外はマイカーで入山できたし、そんなに混雑していませんでした。
 長野が好きになりました。毎年、夏冬に訪れるようになり、山の本やアウトドアにも興味を持つように。
ウェアや小物など、L.L.BEANR.E.Iで個人輸入とかして揃えたり。英語の注文書をワープロで作って、船便で輸入。気の長いことをしていたものです。
 そんなある時、山の本に出会いました。小西政継さんです。「マッターホルン北壁」。感動しました。やったこともない、見たことも無い登山の本に熱中しました。
 ・マッターホルン北壁:日本人冬期初登攀(1968年)
 ・凍てる岩肌に魅せられて(1971年)
 ・グランドジョラス北壁:ウオーカー稜冬期日本人初登攀(1971年)
 ・ジャヌー北壁(1976年)
 ・北壁の七人:カンチェンジュンガ無酸素登頂記(1981年)
 ・山は晴天(1982年)
 ・砂漠と氷雪の彼方に:チョゴリ登頂の全記録(1983年)
 ・小西政継 僕のザイル仲間たち(山と渓谷社、1987年)
 彼が書いた本はすべて読みました。その他彼に書かれた本も。何回も読み返しました。
仕事で辛いとき、彼の本に助けられたものです。夜中に寝れない時は彼の本を読んで、勇気をもらいました。
 「酸素パカパカ吸って『エベレスト登りました』って国際的な評価ゼロ」とか、かなり強烈なこと言ったりして、強面の反面、やさしいとこもある。
なにしろ目的に向かって、一心不乱に自分と仲間を鍛える。仲間が彼を慕う、彼も仲間を育てる。
組織というのは心の強い、厳しくも思いやりのあるリーダーに率いられないとダメ。
そんなことを彼の本から教えてもらいました。
 そんな長年の夢がかない、マッターホルンを間近で見ることができたのは1988年。Photo
スイスへは北周り(アンカレッジ経由)でチューリッヒへ14時間。さらに国内線でジュネーブへ。ジュネーブから車と鉄道を乗り継ぎツェルマットへ。
 駅から教会の方に向かうと、そこにはマッターホルンがそびえ立っていました。教会の前に小さな川があります。その橋の上でずっと北壁を見ていました。写真の右側が北壁です。
 「あんなとこ登ったんだ」
スイスでは4日間ほどスキーをして遊びました。パスポートを持ってイタリア側へスパゲティを食べに行くなんてことも経験しました。3880メートルの場所に自動ドアやエレベーターがあるというのにも驚かされたけど、4000m級の山々の景色はすばらしく、自然が、山がまたまた好きになりました。
 帰りは鉄道でパリまで出て、観光して、来たときと同じく北周りで成田へ帰ってきました。
 
 それから山の景色を見るのが一層好きになり、「一丁登ってみるか」と山歩きを始めたわけです。
上高地からいつも見ている穂高岳、その穂高岳から見た上高地はどんな感じなのかな、とか。
  Photo_5最初は八ヶ岳から始めて、奥穂高や槍ヶ岳へ行きました。
体力がないのと高所恐怖症なので厳しいルートはダメです。ハイキングルートを午前中歩いて、山小屋に着いたら午後は休憩。Photo_7
穂高と梓川の景色を飽きずに半日眺めていました。子供が出来たら名前は穂高と梓川から一文字づつもらって命名することも、その時に決めました。
 数年、夏場の山歩きをしていましたが、忙しい部署へ異動になったので、山へ行けなくなりました。
 穂高と梓川から名前をもらった上の子供が10歳になった時に上高地へ連れて行きました。
子供に名前の由来を教えるために。

Photo_8 Photo_9

 定年になってまだ 体力があったら、今度はフランスのシャモニーへ行ってグランドジョラス北壁を見たい。
さらに元気だったらエベレストをネパール側から見たい。
できたらエベレスト(サガルマータ)の南西壁を触りたい。これはちょっと無理か(笑)